最期を人任せにしない

哲 学

団塊の世代が後期高齢者になる2025年には、人口比約30%が高齢者に達すると推計され、社会保障費の増大、財政の圧迫が懸念され、首都圏においては施設不足・人材不足により施設・医療機関に受け入れてもらえない高齢者が10万人を超えると予想されています。

自衛隊救難部隊や病院、老人ホームなどで勤務し、人の生死に関わってきたからこそ思うことがあります。

それは、命つきる最後まで食べたいものを食べ、行きたい場所に行き、住みたい場所に住み、やりたいことを続けることが大切であり、そのためには「自力で生きる」ことが必要ということ。

介護が必要になるとほとんどの場合、医師や家族が介入し、「病状が悪化するから」と、食べたいものが食べられなくなります。

歩こうと思っても、「危ないから」と自由に歩かせてもらえません。
ひどい施設であれば、「危険行為」とみなされ、抑制されることすらあります。

自力で歩けなければ、「どこかに行きたい」と思っても、誰かの協力がなければ行くことができず、行けたとしても場所が制限されます。

自力で生活できなければ、住み慣れた場所に住み続けることが困難となり、病院や介護施設での生活を余儀無くされるでしょう。

「自分は大丈夫」と思われる方もいらっしゃるでしょう。
実際に関わってみないと実感できないのは当然です。

しかし、「寝たきり」や「要介護」状態、つまり自力で生きることができない状態で数年〜数十年生き、病院や施設で最後を送られる高齢者は想像以上に沢山いらっしゃいます。

そして、その人数は現状より増加するのは明白です。


やりたいことを続けて、自宅で最後を迎えられる自信はありますか?
自分の最期はどうありたいのか考えていますか?

最期を考えて行動せず、ただ漠然と過ごしている方は、経験上ですが、医師や家族の考えに振り回されて亡くなっているように感じます。
「本当にあなたが望んだことなのか・・・」なんども思いました。

終わりよければ全てよし。
最期を考えることは、生を充実させることです。

最後まで自然界の一員として、自力で生き抜き、やりたいことを続けたいと思う方は「どう生き、どう最期を迎えたいのか」考えてみてください。

心身ともに気楽になれることと思います。

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